夫は就労ビザ、では妻は?
マルタでの転職が決まった夫は、会社に就労ビザを用意してもらえる。
申請してから2〜3カ月かかると聞いて
そんなに?とは思ったけれど、
時間はかかっても、基本的にビザはおりる。
でも。
「家族ビザを申請できるのは1年後なんだって」
夫が言う。
「え」
「うん」
「え、じゃあ、私は?」
海外移住にぼんやり憧れたことはあっても、
具体的に調べたことなんてない。
なんとなく、海外に転勤する人の家族は
くっついていけるものだと思っていた。
夫も、私も。
そう思い込んでいた。
でも、それは日本企業の海外転勤とか、
そういう話なのかもしれない。
あるいは、国によって違うのかもしれない。
全然わからなかった。
ただ、私のビザは、ないのだ。
それだけはわかった。
「どうするの」
「どうしよう」
長期滞在にはビザが必要です
海外移住が決まっても、心が弾んだりはしていなかった。
でも、それでも行くのだと、自分なりに決心していた。
それがフタを開けてみたら、
そもそもあなたは呼んでいないよと、ハシゴを外された。
よけいにショックだった。
そうか、海外移住って、そんなに簡単なことではないんだな。
考えてみれば当たり前のこと。
でも、そっか、そうなんだ…。
とはいえ、私は
「じゃあ、1年待つしかないね…」と
すんなりおとなしく待つようなタイプでもない。
すぐにパソコンを開いて調べ始める。
やっと見つけた、マルタの長期滞在ビザ
日本人というありがたい国籍のおかげで、
ビザを申請したことなんてない。
長期の海外旅行もしたことがない。
そもそも何を、どうやって調べればいい?
いくら検索しても、ろくなページが出てこない。
駐在妻、家族ビザ、配偶者ビザ…。
検索ワードが悪いのだろうか。
ちっともこれという情報がヒットしない。
Google先生、がんばってよと思いながら探し続ける。
すると、あった。
マルタでは、2021年から「ノマドビザ」が始まったという。
――これだ!
そもそも、私が気軽に「夫についていく」と言えるのは、
まさに私がフリーランスで、在宅で仕事をしているからなのだ。
一縷(いちる)の望みは見えた。
でも、そこからがまた大変だった。
Identità Malta
家族再会規則 SL 217.06 による家族再会の資格を持たない第三国国民の家族に関する政策
https://identita.gov.mt/expatriates-unit-non-employment-permits-family-members-policy/
Residency Malta Agency – Nomad Residens Permit
https://nomad.residencymalta.gov.mt/
visaguide.world マルタのビザ一覧
https://visaguide.world/europe/malta-visa/